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エクセレント経営者に迫る| 創建ホーム株式会社

「お客様の夢の実現」をテーマに高品質な家づくりに取り組み累計の引渡棟数6,880棟、年間契約数244棟(※)の実績を誇る創建ホーム株式会社。
1985年の創業以来、お客様目線の家づくりを徹底し、広島県を代表するハウスメーカーに育て上げてこられた山本靜司社長に経営で大切にしていることを伺いました。

※ 2021年12月末現在

「お客様の夢の実現」をテーマに高品質な家づくりに取り組み、社員全員が「夢を持てる会社」を実現する

エクセレント経営者に迫る| 創建ホーム株式会社
代表取締役社長
山本 靜司 氏

エクセレント経営者に迫る| 創建ホーム株式会社
本社

会社概要
所在地   広島県竹原市中央3-7-1
      TEL 0846-22-9870
設立    1987年2月(創業1985年)
従業員数  141名
資本金   5,900万円
年商    69 億円(’21/ 12 期)
事業内容  注文住宅の企画、設計、施工、販売、増改築
      不動産の売買、仲介、賃貸物件の管理、宅地造成の企画・開発
U R L    https://www.soken-home.jp


建築現場のありのままを見ていただくことが一番強い営業になる

—— コロナ禍で対面の営業活動が制約されるなど、事業環境も変化しています。業績への影響はありますか。

山本 新型コロナウイルス感染予防対策として、オンラインでの住宅相談が中心になっています。住宅展示場やモデルハウスの見学は個別貸し切りで対応していますので、展示場の来場者は半減しています。当社は家を建てられたOBのお客様や、協力業者さんのご紹介のお客様が多く、また近年はホームページで見学予約されるお客様も増えていますので、展示場の来場者が減少しても、業績に大きな影響はなく、契約数は今期の目標を達成できるペースで推移しています。年間の総売上でも、リフォーム部門が伸びていることと家具部門を立ち上げたことで、増収を見込んでいます。

—— ご紹介などで来られたお客様には、どのような営業を行っておられるのでしょうか。

山本 どのお客様でも、まず「建築中の現場を見てください」から始まるのが、創建ホームの営業方法です。当社は進行中の現場を、基礎が終わった状態から引き渡しの前まで、どの工程でも見学いただけます。現場のありのままの姿を見ていただくことで、創建ホームの現場は掃除が綺麗にできている、職人さんの仕事振りはどこに行っても丁寧だと分かります。それが一番分かり易く、どのような営業より強いと考えています。

 普通、現場見学では職人さんに声を掛けにくいものですが、当社では職人さんにも気軽にお話をしていただけるようにしています。職人さんもお客様が見学に来られたらしっかりと説明します。営業マンが説明するのと現場の職人さんが説明するのでは、お客様への説得力が違いますから、「この大工さんで私の現場をやって欲しい」という指名もけっこうあります。

—— 協力業者である職人さんが御社の営業活動に協力されるのは、業界でも珍しいことだと思うのですが、御社はなぜできているのですか。

山本 職人さんも創建ホームの一員で、自分たちの会社だという感覚が強くあるから協力していただけるのでしょう。それは創業以来積み重ねてきた信頼関係があるからです。当社は「創建会」という協力会社さんとの組織を作って絶えずコミュニケーションを図っていますし、技術の共有や向上を目的にした勉強会も頻繁に開いています。創建ホームはしっかりした方向性を持っている良い会社だから伸びてほしい。そういう期待を当社にしていただいているのではないでしょうか。

 他社も創建ホームの営業のやり方は分かっていますが、分かっていてもなかなか真似できません。例えば、OBのお客様からの紹介が多いのも、建ってからのお付き合いを大事にしているからです。いくら引き渡しまで良い印象を持っていただいたとしても、アフター
サービスが行き届いていなかったら紹介などしていただけません。
 そこで大切なのは、お客様目線です。当社は、社員はもちろん、協力業者の職人さんも含めて、すべてがお客様目線で考えることを徹底しています。それは長年培ってきて、みんながこれは大事にしなければいけない、というものが身に付いています。それが、他社が真似できない創建ホームの強みです。

PICK UP
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2021年6月にオープンした「LIFE & CULTURE MARKET」(L/C)。
家具やインテリア、エクステリアの商品も展示し、家づくりの全てが分かる暮らしの提案と文化の発信基地となっている。

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会社の基盤を創る上で一番大事なことは財務体質の強化

—— 1985年の創業時は、まったく一からのスタートだったと伺っています。どのようなご苦労がありましたか。

山本 今はテレビのCMもしていますし、建てた家が6,000棟以上もあります。創業時はまったく何もない状態で注文住宅を販売することはできるのかという不安がありました。ただ、前職の住宅メーカーの特約販売店で私が営業して家を建てたお客様からの応援が心の支えになりました。独立前に契約した病院の院長先生に「せっかく契約していただきましたが、退職することになり、最後までお手伝いできず申し訳ございません」とお詫びに伺ったところ、すでに契約金を払われていたのに「独立する山本さんのところで建ててほしい」と言われて驚きました。数百万円の契約金を破棄して、まだ実績のない会社に依頼されるというのです。院長先生の新築は1億円を超える家で、完成見学会もさせていただきました。これだけの家を建てられる会社と広く知っていただけ、大きなインパクトがありました。その時、「何とか住宅屋としてやっていけるのではないか」と感じました。そうしたお客様に恵まれ、契約した家を一つ一つ造り上げて、ここまで来ました。

—— 会社の基盤を創るために大切にされてきたことは何でしょうか。

山本 お客様に喜んでいただくためには、良い家を建てられる協力業者さんを集めなければなりません。最初はマンション1室の事務所でしたから、仕事をして欲しいと言われても支払いは大丈夫かなと思うでしょう。とにかく仕事は取ってきますからとお願いして、年間50棟を当初の目標にし、私も先頭に立って営業しました。年間50棟は3年ほどで達成でき、そこからは倍、倍で伸びて行きました。

 会社の基盤を創る上で、一番大切なことは財務体質です。これを良くして行かないと、社員も協力業者さんもお客様も心底からついてきていただけません。ですから、当社は早くから世界最大手の格付け会社であるスタンダード&プアーズの格付け取得に取り組み、2018年からはSME格付け最上位「aaa」を4年連続で取得しています。

—— 広島県で有数のハウスメーカーに成長された2008年、宮城県名取市に仙台支店を開設されました。どのような経緯から仙台に進出されたのでしょうか。

山本 当社が広島県でお手伝いさせていただいた大手デベロッパーさんのご推薦で、仙台の500区画の住宅造成地を購入しないかというお話を金融機関からいただいたのがきっかけです。私は仙台には行ったこともなく知り合いもいなかったので、出ていく気はあまりなかったのですが、せっかくのご紹介ですし、近くに良い温泉もありますから、みんなの慰労を兼ねて幹部と一緒に見に行きました。

 ところが、先方のデベロッパーさんは、「声を掛けただけで、あれだけの人数で真剣に見に来てくれた。ここしかない」と言って来られました。私は「今回はやめておきましょう」というつもりでしたが、こちらが提示した購入金額を受け入れてもらい、金融機関も無担保という破格の条件で融資してくれました。そうなったら、やるしかありません。

—— 初めての土地で、事業として成功する目算はありましたか。

山本 もちろん宮城県の人は創建ホームの名前を知りません。しかし、広島県での実績がありますから、住設メーカーから宮城県の瓦屋さんや大工さんなどを紹介してもらい、テレビ局、新聞社には宮城県の支店や会社に声を掛けてもらいました。最初に業者の皆さんに集まってもらって、当社の財務状況や実績など自己紹介をし、このような家づくりをしたいということをお話しました。宮城県の新聞社は「広島県の創建ホームが宮城県に進出」と記事にしてくれ、また、Jリーグのベガルタ仙台の選手を起用したテレビCMなどで知名度も上がりました。2011年には東日本大震災もありましたが、現在では30区画ほどを残すだけになっています。

PICK UP
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伐採・植林を繰り返す育林サイクルに取り組み、環境と調和した循環型社会の構築に貢献している。

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国が定める耐震基準の最高ランク『耐震等級3』をスタートラインと考え、独自の耐震・制震を用いた「耐震等級3+α」の家を提案している。

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選りすぐりの国産檜を使用するなど、高品質な家づくりが評価されている。

経営者が常に身近にいることを伝えるのが創建ホームの人材育成

—— 新卒採用の会社説明会では山本社長が自ら説明されてこられました。それはどのような効果があるのでしょうか。

山本 今年からは専務(山本慎氏)に任せていますが、トップが説明することが、学生に一番伝わるからです。毎年続けていると、「創建ホームでは社長が就職活動についていろいろな話をしてくれる」と学生の間で評判になって、毎年100人以上の学生が来てくれるようになりました。特に「将来はこんな会社にしたい」という会社のビジョンでは、トップが語るのと人事部の担当者では説得力が違います。

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広島カープの選手やコーチを招いた野球教室を開催するなど、スポーツを通じた交流による社会貢献活動に取り組んでいる。

—— 人材育成でトップとして大切にされていることは何でしょうか。

山本 方向性を示すこと、そして気が付いたことは良いことも悪いこともちゃんと伝えてあげることです。当社では成約すれば営業の担当者が、必ず私の携帯電話に連絡してきます。みんな社長に報告して一緒に喜んで欲しい。そういう気持ちで電話をしてきます。私は「よくやったね」「よく頑張ったね」「これで支店の流れも変わるね」「ありがとう」と言って労をねぎらい、喜びを分かち合います。そうした電話が月に数十回はあるわけです。

直接会わなくても、経営者である私が常に身近にいるということをどれだけ伝えられるか。それが重要だと思っています。

お客様が夢を膨らませられる暮らしと文化のショールーム

—— 2021年6月に「LIFE & CULTUREMARKET」(L/C)がオープンしました。従来の展示場やモデルルームとは違うL/Cの狙いについて教えてください。

山本 建物の紹介だけではなく、家具やインテリア、エクステリアの商品も展示して、暮らしをイメージしやすく家づくりの全てが分かるショールームを造りたいと、数年前から構想していました。住宅メーカーでこれだけの規模の施設は、全国でもほとんど例がないと思います。

 今後、新築の建物はおのずと減少していきます。そのような環境の中で、創建ホームはリフォームを含めた住宅にまつわる全てに事業領域を広げ、暮らしの提案も含めた総合力で売上を伸ばしていく。お客様ごとに異なるライフスタイルや理想に応えるため、国内外50メーカーのハイセンスなインテリア・家具を揃える「IKUS FURNI&COO(イクスファニアンドコー)」のほか、最新の住宅設備を豊富に展示し、新しい暮らしを夢見られるようなスペースになっています。

 お陰さまでオープン以来、たくさんのお客様にお越しいただき、大きな反響をいただいています。まず、外観で「ここは何だろう?美術館か?」と興味を持っていただき、イベントスペースで開催している趣味やホビーの体験教室、各種の販売会などのイベントも盛況です。家を建てることを考えていなかったお客様が、L/Cに来て、やっぱり家を建てたいな、リフォームをしてみようかと、みなさん夢を膨らませて帰られます。

 また、協力会社さん、住設メーカー、銀行や取引のある企業からの反響も大きかったです。創建ホームは先々を見据えて新しいことをしている企業だと、知っていただくという意味でも、L/Cのオープンは大きなインパクトがありました。

—— 長期的にはどのような企業像を描いておられるのでしょうか。

山本 時代の流れで求められる建物は変わってくるでしょうが、創建ホームはいつの時代でもお客様目線で考える企業でありたい。売上をどんどん伸ばして行くというよりも、広島県を中心にした現在のエリアを大切にして、着実な成長を目指します。コロナ禍においてもL/Cのような新社屋の建設プロジェクトを遂行できたのは、創業以来の黒字経営を続け、強固な財務体質を構築してきたからです。L/Cを核にしてお客様の夢を実現でき、すべての社員が夢を持てる会社にしていきたいと思います。

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創建ホームの協力会社で構成する「創建会」の会合の様子。勉強会や親睦会を通して常にコミュニケーションを図っている。

—— 最後に、投資育成会社のご感想をお聞かせください。

山本 経営承継の取り組みをしていく中で、銀行から投資育成会社を紹介していただき、2017年に出資を受けました。安心して経営承継できる体制になったことと、投資育成会社を意識しながら経営していれば、当社は間違った方向にはいかないという、経営の安定感が増したことがメリットです。気軽に相談できる良きパートナーとしての関係をさらに発展させ、投資育成会社に「創建ホームに出資している」と声を大にして言ってもらえるよう、これからも頑張ります。

——長時間にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

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Profile
山本 靜司 氏
1968年建設系専門学校卒業後、工務店に就職。建築現場での技術を身に付けた後、広島県竹原市で大手住宅メーカー特約販売店に入社。住宅販売の営業職としてトップクラスの営業成績を収める。1985年に創建設工業株式会社(現・創建ホーム株式会社)を設立、社長に就任し現在に至る。2001年竹原商工会議所の副会頭に就任し、2007年からは会頭を務めている。



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